

告訴・告発とは
告訴とは
告訴とは、告訴権者(犯罪の被害者やその法定代理人等)が警察官や労働基準監督官などの司法警察員(捜査機関)または検察官に対し、犯罪事実を申し立てし、犯罪者の処罰を求めることをいう。
告訴権者
刑事訴訟法230条〜240条に告訴権者について定められております。
(刑事訴訟法第230条)
犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。被害者が未成年及び被成年後見人の場合は、それぞれ、親権者、成年後見人が独立して告訴できる。
(刑事訴訟法第231条)
被害者の法定代理人は、独立して告訴をすることができる。
2 被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。(刑事訴訟法232条)
(刑事訴訟法233条1項)
死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫が告訴権者となる。
(刑事訴訟法240条)
告訴は、委任条により委任された代理人によっても行うことが出来る。
告発とは
犯罪の被害者や犯人でない第三者が犯罪事実を申告し、犯罪者の処罰を求める意思表示のことをいいます。
告発権者
告発に関しては、被害者以外の誰でも行うことが出来る。
「誰でも、犯罪があると思うときは、告発をすることができる」
ただし、親告罪については、告訴はできますが、「告発」をすることは出来ません。
刑法で親告罪と定められている罪には、次のような罪(一部抜粋)がある。
- 信書開封罪・秘密漏示罪(刑法135条)
- 過失傷害罪(同209条)
- 未成年者略取・誘拐罪、これらの未遂罪(同229条)
※営利又は生命若しくは身体に対する加害の目的でこれらの罪を犯した場合は、親告罪になりません。
- 名誉毀損罪、侮辱罪(同232条)
- 親族間の窃盗罪・不動産侵奪罪とこれらの未遂罪(同244条第2項)
- 親族間の詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪、背任罪、準詐欺罪、恐喝罪、これらの未遂罪(同251条)
- 親族間の横領罪、業務上横領罪、遺失物等横領罪(同255条)
- 私用文書等毀棄罪、器物損壊罪、信書隠匿罪(同264条)
親告罪の告訴期間は「犯人を知ってから6ヶ月」とされています(刑事訴訟法235条)。
公務員は、その職務を行うことにより犯罪があると思われるときは、告発をしなければならない。(刑訴法239条2項)。
行政機関への告発
道路交通法違反・建設基準法・風俗営業法、医師法などの行政法違反は、行政機関の担当窓口に申し立てをしなければなりません。
(行政手続法第36条の3」
勤務先などの不法行為に関しては、行政機関の公益通報窓口に通報しなければならない。
(公益通報者保護法)
被害届とは
告訴と似ているが、①犯罪者の処罰を求める意思はない。②告訴の場合と異なり、受理をしても、法的には、捜査機関は捜査をする義務を負わない。